感染性大腸炎

感染性腸炎とは

感染性腸炎細菌やウイルスが口から入って腸に炎症を起こす感染症で、食中毒も含まれます。
ノロウイルス、エンテロウイルス、病原大腸菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、赤痢菌、サルモネラ、コレラ、赤痢アメーバなどによって起こります。感染しても必ず発症するわけではありません。
潜伏期間は数時間から1週間程度と、原因となる細菌やウイルスによって大きく異なります。主な症状には、嘔吐、腹痛、下痢、下血などがあります。

原因

原因は、食中毒と人からの感染に大きく分けられます。

食中毒

主に加熱が十分ではない食品に付着した菌やウイルスから感染します。また、海外の場合、水や氷に付着した菌やウイルスによって感染するケースもよくあります。
生ガキのノロウイルス、鶏のカンピロバクター、焼き肉の大腸菌、魚介類のビブリオ、長時間経過して傷んだ食品によるブドウ球菌などが代表的な食中毒です。

人からの感染

嘔吐したものや便などによって起こる感染です。直接触れて感染するというより、トイレの共用や、トイレ後のタオルの共用、ドアノブなどを介して感染するケースがよくみられます。また、よく洗ったつもりでも手に菌やウイルスが残っていることが多く、調理を介して感染するケースもあります。

症状

主な症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱です。血便など下血を起こすこともあります。
一過性の症状で自然に治ることも多いのですが、細菌やウイルス、患者様の状態によっては命にかかわる可能性もあります。
幼いお子様やご高齢の方、体力が落ちている方に上記のような症状が起こった場合や、強い症状が続く場合にはできるだけ早く受診しましょう。

治療方法

検査

糞便を検査して原因菌の有無を調べます。また、血液検査を行うこともあります。血便や下痢が続いている場合には潰瘍性大腸炎やクローン病の可能性もあるため、内視鏡検査を行うこともあります。

治療

薬治療では、嘔吐、腹痛、下痢などに応じた薬剤を用いて症状を緩和させます。脱水症状が起こっている場合には点滴なども行います。症状が重篤な場合、小児や高齢者には抗生物質を用いた治療も行われます。
消化器へのダメージが強い場合には絶食が必要ですが、それ以外の場合は消化器に余計な負担をかけない消化の良いものを食べるようにします。水分補給をしっかり行うことも重要です。

感染性腸炎かなと思ったらすぐ受診を!

自然に治癒するケースも多い感染性腸炎ですが、症状が悪化して重篤になる可能性もありますし、大切なご家族など身近な方に感染を広げてしまうこともあります。ノロウイルスのように通常の手洗いでは感染を防ぎきれないものもあります。嘔吐や下痢、腹痛など感染性腸炎の症状が起こったら、必ず早めに医療機関を受診してください。特に幼いお子様やご高齢の方、体力が落ちているご家族がいる場合には早急な受診が重要です。